「歯周組織再生療法のエンドポイントを紐解く」
―患者のニーズに応える適応症の選択と治療術式における臨床的キーポイントとはー


【抄録】

歯周組織再生療法を実践するにあたっては、患者のプラークコントロールの改善状況や全身状態、骨欠損の進行などを鑑み、術者と患者の相互の共通認識の中で、術前より歯周組織の回復がどこまで見込めるかのエンドポイントをしっかりと定めることが大切である。
日本歯周病学会のガイドラインによるとその適応症は、歯周基本治療を行った後も深い歯周ポケットが残存している場合や硬組織・軟組織の形態異常により歯周炎の再発が起こりやすい症例である。
現在では、エナメルマトリックスタンパクもしくはF G F2のどちらかを選択することが多い。この2つのマテリアルは、作用機序の違いから治癒が異なる。いずれを選択するにしても骨欠損形態に応じて戦略を考えることが大切である。進行した骨欠損に対しては、骨補填剤の選択が良好な予後につながる。
昨今では、矯正治療は、成人に用いられることも多くなってきた。進行した歯周病に罹患した歯の矯正治療では、そのタイミングも重要である。
本セッションでは、症例に応じたエンドポイントを定め、歯周組織再生療法の臨床的キーポイントを整理していきたい。

【ディスカッションポイント】

・歯周組織再生療法のエンドポイント
・エナメルマトリックスタンパクとF G F2の治癒の違いと術式の選択基準
・矯正治療と歯周組織再生療法のなど臨床的なキーポイントを整理していきたい。



モデレーター 相宮秀俊


《略歴》
2004年 愛知学院大学歯学部 卒業
2019年3月 歯学博士 取得
日本顎咬合学会(認定医)
日本口腔インプラント学会(認証医)
OJ正会員
日本歯周病学会(認定医)



スピーカー 大月基弘


《略歴》
1999年 広島大学卒業
1999-2001年 大阪大学第2口腔外科学教室
大阪大学歯学部附属病院 総合診療部研修医 修了
2010-2012年 イエテボリ大学大学院専門医課程卒業
ヨーロッパ歯周病専門医・インプラント専門医
(European Federation of periodontology 認定)
http://www.efp.net/europerio/index.html
2013年 日本臨床歯周病学会 認定医
2014年 大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴顎・高齢者歯科学分野 所属
2018年 大阪大学大学院 歯学博士
2019年 日本歯周病学会 専門医



スピーカー 松浦貴斗


《略歴》
2012 愛知学院大学生歯学部 卒業
2013 愛知学院大学附属病院 歯周病学講座 専攻生
2018 日本歯周病学会 認定医 取得
2019 愛知学院大学附属病院 歯周病学講座 研究生
2020 医療法人 恒陽会 松浦歯科・矯正歯科 院長