「補綴臨床におけるデジタルワークフローの可能性に挑む」

【抄録】

昨今の補綴治療におけるプロトコールは、デジタルの驚異的な普及により、まさに革命期を迎えていると言っても過言ではないだろう。またそれに伴い、様々な基礎的・臨床的研究や商品開発が行われてきており、今まではオブラートに包まれていたものは可視化され、高難度な咬合再構成においても機能性と審美性を両立することができ、より予知性の高い治療法へと推移していっている。
こと我々の日常臨床においてもC T、CAD/CAMの普及から始まり、今ではIOSや3Dプリンターも頻繁に使用されるようになってきた。その恩恵は言うまでもないだろう。
しかし、全ての補綴治療がデジタルワークフローに置き換えられるわけでは決してない。
そこで本セッションでは、前歯部及び臼歯部における頻繁に我々の臨床で遭遇する少数歯欠損症例において、2名(遠山先生、筒井純也先生)の先生方に登壇いただき、審美、機能、持続性の視点から、どのようにデジタルをご自身の補綴臨床に落としこんでいるかを共有したい。
デジタルが普及してきた昨今、デジタルの万能性を追求するのではなく、デジタルにしかできないこと、アナログにしかできないことを明確に区別し、これら両者の相互補完に注目した治療の流れを中心に議論したいと考える。

【ディスカッションポイント】

・補綴臨床におけるデジタルとアナログの相互補完とは
・デジタルインプレッションにおける形成限界とは



モデレーター 安藤壮吾


《略歴》
2006年 朝日大学歯学部卒業
2012年 なみき通り歯科 開業
日本歯周病学会 専門医
EAO認定医
OJ正会員



スピーカー 筒井純也


《略歴》
2005年 日本大学松戸歯学部卒業
2005年 日本歯学センター勤務
2008年~2009年 New York University College of Dentistry~ Comprehensive dentistry 在籍・卒業~
2013~2019 フェスティバルタワー筒井歯科 院長
2020~ 大阪つつい歯科・矯正歯科 開院
《所属学会・所属Study group》
Academy of Osseointegration 会員
European Academy of Osseointegration 会員
日本歯周病学会 会員
日本公口腔インプラント学会 会員
Seattle Study Club of Japan 会長
JIADS DGPコース インストラクター



スピーカー 遠山敏成


《略歴》
2002年日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部付属歯科病院(クラウン・ブリッジ科)勤務
2006年マイスター春日歯科クリニック開設
2014年日本顎陵合学会優秀発表賞受賞
《所属学会・所属Study group》
Esthetic Explorers理事
K.I.M理事
K2副会長
日本補綴歯科学会・日本保存歯科学会・日本口腔インプラント学会・日本顎咬合学会