飯田 真也


《略歴》
いいだ歯科医院/愛知県

日本臨床歯科医学会名古屋支部(名古屋SJCD)
日本顎咬合学会 認定医
日本臨床歯周病学会
日本接着歯学会



「ENA HRi を用いたコンポジットレジン修復」

【抄録】

日々の修復治療にコンポジットレジンを使用しない日はないであろう。MIの概念が提唱されて久しいが、それらを体現している代表的な修復材料であると考えられる。現在市場には実際の臨床の場におけるニーズに応えるべく各メーカーから低侵襲なだけでなく、高い物理的性質や審美性を兼ね備えた製品が数多く流通している。
Micerium社のコンポジットレジン「ENA HRi」がフォレストワンから国内販売されて4年が経過した。その間着々とユーザー数が増えていると聞き及んでいる。そこで今回改めて、この製品が他のCR製品と比較して一線を画する理由とそのコンセプトについて再確認してみたいと考える。
また特に臼歯にフォーカスを絞り、その中でも日常臨床でよく遭遇する2級修復を取り上げてみたい。2級修復といっても軽度な隣接面カリエスから複雑窩洞のメタルインレーなどが脱離した大きな修復までバリエーションがある。両者ともに2級修復ではあるが、残存している辺縁歯質の量や歯根間距離などが違うため、画一的な方法では実は良好な形態回復が困難なことも少なくない。なぜ難しいのか?その理由について分析し、実際の要点について臨床例を供覧することで解説したいと考える。