Aki Yoshida


Aki Yoshida

《略歴》
米国ボストン在住 群馬県出身

1983年:日本大学歯学部付属歯科技工専門学校卒業 田中歯科医院(港区青山 田中宏院長)勤務
1991年:渡米 アメリカ補綴界の権威 Dr.Lloyd L.Millerに師事
1994年:Tufts大学 補綴大学院非常勤講師
1999年:ノリタケデンタルサプライテクニカルインストラクター
2001年:YCLA Center for Esthetic Dental Desing 非常勤講師
2004年:Gnathos Dental Studio オーナー
2006年:AAED (アメリカ歯科審美学会 準会員)
2011年:SCAD (アメリカ歯科色彩学会  理事)
2012年:AAED (アメリカ歯科審美学会 正会員)



「歯科医師、歯科技工士、患者の三者がWin Win Win になる為に」

【抄録】

日々の臨床において、前歯部の審美補綴は常に再製作のリスクを負う可能性がある。
その最たるものは、色調の不一致ではないだろうか。
しかし、歯科色彩学の分野においては他のCAD/CAMやマテリアルの進歩と比較し、この数十年殆ど変化していない。そればかりか、逆に衰退している感すらある。10年程前、数社から発売されていたデジタル測色器も今は一社のみとなっている。
このように、今現在でも前歯部の色調再現は、その殆どのケースで歯科技工士個人の芸術的センスと経験に頼っていると言っても過言ではないだろう。
このレクチャーでは、より正確な情報を記録するためのデジタルカメラによるシェードテイキングの注意点、そして補綴物製作時の色調再現の失敗を最小限にする為のポイントについて解説する。
また、適合、色調、咬合も適切に付与されているにもかかわらず、患者の満足を得られず修正をしなければならないケースもある。このような場合、私の経験では、その殆どが形態に対する不満であり、プロビジョナルレストレーションの段階で、それについて患者の要望を聞けていなかったことも原因の一つとなっているのではないだろうか。
このようなリスクを減らすためには、色調のみならず形態、表面性状など曖昧になりがちな要素にも患者の要望を確認し、それを最終補綴物に反映させるる必要がある。この点に関しても私が実践している方法について説明していきたいと思う。
日常臨床における三者のストレスを軽減するためには、無駄な再製をなくし効率的に高度な補綴物を提供できるシステムを作り、Win Win Winのシチュエーションを作ることではないだろうか。