【抄録】
審美修復治療において歯間乳頭部の欠損は大きな問題となり、その欠損部位の再建なしに審美修復は成り立たない。一般的に乳頭とは歯間部位における軟組織を意味するが、臨床では欠損部位にも再建が行われることから、ここでは広い意味でポンティックやインプラント間の部位も乳頭とさせていただく。そうすると、乳頭には6つのパターンがあるということになる。すなわち、“Tooth-Tooth”“Tooth-Pontic”“Tooth-Implant”“Implant-Implant”“Implant-Pontic”“Pontic-Pontic”である。そして、これら6つのパターンはそれぞれ環境に違いがあり、再建を考えるうえで考慮すべきポイントも変わってくる。
そこで本講演では、乳頭の欠損がある症例に対する審美修復について、6つのパターンに対応した症例とともに考察していきたい。