「接着歯科治療におけるダイレクトとインダイレクト:その境界を再考する」

【抄録】

接着歯科治療は、「より保存的な介入で、より長期的な予後を求める」という困難に直面してきた。その技法にはダイレクト(直接法)とインダイレクト(間接法)があり,両者には利点だけでなく、問題となる部分も有している。例えばダイレクトでは支台歯汚染がなく、接着には最適な歯面環境だが、技術的難易度や重合収縮が引き起こす接着界面への問題がある。一方、インダイレクトでは審美的に良好な補綴装置が出来上がるが、接着処理の煩雑さに加えて装着時までの被着歯面への汚染が問題となる。それぞれ一長一短な性質を有している両技法だが、臨床におけるその境界は曖昧なまま治療が行われているのではなかろうか。
そこで今回は一つのケースに対して、ダイレクトとインダイレクトのどちらを選択するかという問題提起をしたい。それぞれ臨床において見落としがちな部分にもフォーカスをし、それらをどう克服しているか文献に裏付けされたプレゼンテーションを行う。その後、接着歯学の第一人者である峯先生にご解説して頂きたいと考える。

【ディスカッションポイント】

・重合収縮を軽減しつつ、良好な見た目を再現するベストな充填方法は現時点では何か?
・どの仮着材をどのようにクリーニングすることが、接着歯面に最も影響が少ないのか?



モデレーター 飯田真也


《略歴》
2006年 愛知学院大学歯学部卒業
2011年 いいだ歯科医院勤務
日本顎咬合学会 噛み合わせ 認定医



スピーカー 峯 篤史




スピーカー 吉木雄一朗


《略歴》
2005年 日本歯科大学卒業
2006年 医療法人鉄焦会亀田総合病院歯科センター勤務
2008年 医療法人デンタルハート吉木デンタルクリニック勤務
2009年 医療法人デンタルハートY’sデンタルクリニック開設
日本臨床歯科学会 名古屋支部理事
日本顎咬合学会 中部支部理事